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2012年9月22日 (土)

無知の涙

「今日の刑事政策について」
…といういかめしいタイトルの講演に出席しました。

保護観察官の方の生々しい話で、興味深かったです。

仮釈放になると保護観察を受けることになる。
保護観察を受けた人の方が、満期でそのまま社会に戻る人よりも、
再犯率が低いそうです。

保護観察官または保護司との「関わり」があることによって、
自ら更生への道を選ぶことができる。

また、何度も何度も刑務所に入っている高齢者の話も考えさせられました。
その人にとっては塀の中の方が生きやすいとか。
長期の受刑で、タンス作りの腕は一流。
若い受刑者からは「おやっさん。おやっさん。」と慕われ、
新米刑務官よりも、刑務所のルールに精通している。

長い人生の中で褒められたのは、
刑務所の中でいいタンスを作った時だけ。
優れた作品を作った時は、表彰を受け、
そのときは特別に紅茶とケーキがふるまわれる。
人生最高の自己有用感をここで感じる。

ああ、それは戻りたくなるよなぁ…。

でも、齢80を過ぎ、最期は普通のおじいさんとして終わりたい。

保護観察官の方は、社会の中で、
そのおじいさんの居場所をつくってあげようと
奔走していらっしゃるそうです。

窃盗などを繰り返してるとなると、
受け入れ側も、はいどうぞとはなかなか言えないよね。

きれいごとかもしれないけれど、
その高齢受刑者が老人福祉施設に入って、
入居者のおばあちゃんと恋をして、
なんてことが人生の最終章にあってもいいんじゃないとも思う。

もし、それが殺人を犯した人なら、
それでも私はこう思うのだろうか。

罪を重ねている少年がポツリと言う。

「オレ、なんで生まれてきたんだ」

この話を聴いて涙がこぼれた。
この少年が永山則夫元死刑囚のような「無知の涙」を流す前に、
生きている意味を見つけられますように。

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